光ファイバ/ケーブルの基礎知識

光は、コアに閉じこめられた状態で伝搬

光ファイバは、石英ガラスやプラスチックで形成される細い繊維状の物質で、右図のように中心部のコアと、その周囲を覆うクラッドの二層構造になっています。コアは、クラッドと比較して屈折率が高く設計されており、光は、全反射という現象によりコア内に閉じこめられた状態で伝搬します。 光ファイバの構造

全反射とは・・・・・・

下図のAのように、光が屈折率の高い「物質1」から屈折率の低い「物質2」に到達すると、その角度を変えて進入していきます。光の進入角度がBのように浅くなると、透過する角度も小さくなり、境界面に対して平行に近くなります。そこでさらに進入角度を小さくすると、Cのように光は「物質2」に透過することができなくなり、すべての光が境界面で反射されることになります。このようにすべての光が反射されることを全反射と呼び、このときの入射角度を臨界角と呼びます。

全反射とは

主要な光ファイバは5種類

現在、情報通信用途に最も使用されている光ファイバは、コア・クラッドとも石英ガラスでできています。光ファイバは、光の伝搬するモードの数によって「マルチモード」と「シングルモード」の2種類に分類されます。さらに、マルチモード光ファイバは、コアの屈折率分布によって、「ステップインデックス」と「グレーデッドインデックス」に分けられます。また、シングルモード光ファイバは、零分散波長により、「汎用シングルモード」と「分散シフト・シングルモード」、「非零分散シフト・シングルモード」に分けられます。これらのうち、一般的によく用いられるのは、主に「グレーデッドインデックス」と「汎用シングルモード」です。 光ファイバの分解

ステップインデックス・マルチモード光ファイバ(SI)

コアの屈折率が一定の光ファイバで、光はコア内を多くのモード(光の通り道)に分かれて伝搬します。右図の中のモードを比較すると、一方はまっすぐ最短距離で進むのに対し、もう一方は反射を繰り返して遠回りしており、その結果、伝搬信号は大きく歪んでしまいます。このため「ステップインデックス」は狭帯域になり、現在ではほとんど使用されていません。
ステップインデックス・マルチモード光ファイバ(SI)

グレーデッドインデックス・マルチモード光ファイバ(GI)

コアの屈折率を滑らかに分布させた光ファイバで、標準的には、50μm、または62.5μmのコア径をもっています。コア内の屈折率を滑らかに変化させることにより、「ステップインデックス」に見られた伝搬信号の歪みが、大幅に改善されました。右図では、伝搬距離の異なるモードが複数存在していますが、最短距離を進むモードは屈折率の高いコア中心を通るため光の速度が遅く、遠回りするモードは屈折率の低い部分を通るため光の速度が速くなり、相対的にどのモードの光も同じ速度で伝搬することになります。「グレーデッドインデックス」は、次に紹介する「シングルモード」に比べ伝送損失が大きいのですが、光ファイバ接続が簡単でネットワーク機器も圧倒的に安価なため、LANなどの近距離情報通信用途として広く使用されています。
グレーデッドインデックス・マルチモード光ファイバ(GI)

汎用シングルモード光ファイバ(SM)

コア径を小さくすることでモードを1つにした光ファイバで、マルチモードで見られたようなモードの違いによる伝搬信号の歪みは発生せず、極めて広帯域な特性を有します。汎用のシングルモード光ファイバは、1310nm帯に零分散波長があるため、伝送損失が低く優れた特性を有し、高品質で安定した通信が求められる幹線網に用いられています。
汎用シングルモード光ファイバ(SM)

分散シフト・シングルモード光ファイバ(DSF)

分散シフト・シングルモード光ファイバは、伝送損失が1310nm帯よりも低い1550nm帯を零分散波長としたシングルモード光ファイバです。長距離伝送に適しています。

非零分散シフト・シングルモード光ファイバ(NZ-DSF)

非零分散シフト・シングルモード光ファイバは、零分散波長を1550nm帯から少しずらすことにより、1550nm帯での非線形現象を抑制した光ファイバです。波長分割多重(WDM)伝送に向き、超高速の長距離伝送に適しています。

光ファイバの種類と伝送速度、伝送距離

心線の種類は、主に3種類

光ファイバは石英ガラスでできていて非常に脆弱であり、また、通常125μm(0.125mm)と極めて細いため、周囲に保護被覆を被せてあります。この被覆を被せた状態を心線と呼び、
大きく (1)0.25mm素線 (2)0.9mm心線 (3)テープ心線 の三種類に分類されます。

0.25mm素線

光ファイバを紫外線硬化型樹脂で覆い、0.25mm径にした素線です。非常に細径なため、ケーブル化するときの心線収容性に優れ、多心化する必要があるときに用いられます。
0.25mm素線

0.9mm心線

光ファイバをノンハロゲン樹脂で覆い、0.9mm径にした心線です。0.25mm素線に比べ強くできているため、取り扱い性に優れ、LAN配線などの少心ケーブルに広く使用されています。
0.9mm心線

テープ心線

0.25mm素線を複数平行に並べ、さらに紫外線硬化型樹脂で覆った心線です。(さまざまな心数があります)0.25mm素線同様に、ケーブル化するときの心線収容性に優れ、特に4心タイプは、4心一括で光ファイバ接続できることから、光キャビネット/成端架内で使うFOコードにも用いられます。
テープ心線

光ケーブルは、取り扱い性を高める構造に

繊細な光ファイバ心線を収納する光ケーブルは、屋内外での実用に耐えられるよう工夫する必要があります。一般的に下のような構成部材が用いられ、層状に構成することで強靱さを増す設計がなされています。これにより、外力の影響を受けにくく、伝送特性の安定した、さらに敷設作業がしやすい光ケーブルがつくれるのです。下図に、代表的な光ケーブルの例を示します。 光ケーブルの構造(層撚型ケーブルの例)

テンションメンバ

敷設時にかかる張力から光ファイバを守ります。主に鋼線が用いられますが、無誘導にする場合はFRP、曲げやすさを求める場合はアラミド繊維と、用途に応じて使い分けられます。

保護層

光ファイバを側圧などの外力から守るために、クッションのような役割をする保護層を設けています。

シース

さまざまな敷設環境から光ファイバの保護をするためのものです。以下に代表的な敷設環境とシース構造の使い分けの例を示します。

  • ポリエチレンシース
    機械的強度に優れ、架空・管路敷設等、多くの環境で使用される最も一般的なシースです。
  • 難燃ポリエチレンシース
    難燃性をもたせたポリエチレンシースです。一般的に屋内の敷設では難燃性が必要となります。
  • HS(High Strength)シース
    HS(HighStrength)シース波付け加工をしたステンレステープ上にポリエチレンシースをほどこした構造で、機械的強度を高めています。キツツキや鼠、リス等の鳥獣害対策に用いられます。
  • 色帯シース
    ポリエチレンシース上に黄色や緑色等のストライプを設けた構造です。複数本のケーブルが敷設されている環境で、識別性を向上させるためのものです。

色帯シース

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