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  東京のウォーターフロント、隅田川と晴海運河の流れを分けるようにして座る超高層住宅街「リバーシティ21」。テレビドラマやコマーシャルのロケ地としてもおなじみの最先端タウンに、「スカイライトタワー」はあります。1993年竣工、地上40階地下3階、総戸数336戸。この大規模マンションで、このほど、各住戸まで光ネットワークの追い張りが行われました。その際の光ケーブルや光成端/接続箱などに住友電工の製品が使われています。
既存マンションへの光ネットワーク導入はたいへん難しいとされ、事例がまったくありませんでした。今回、高い壁を乗り越えてネットワークシステムを構築したNTT-ME 営業統括本部 R.I.S.ビジネスカンパニーの方々に、そのときの状況を尋ねてみました。
 
──NTT-ME様としても、既存マンションへの光ネットワーク導入は、「スカイライトタワー」が最初の案件とうかがいましたが?
石橋 そうです。既存ビルについては、弊社としてオフィスへの追い張りは数多く手がけてきたのですが、マンションは初めてでしたね。
石橋 ええ。いくつか越えなければならない壁があるのですが、まずは制度的な壁。導入するFTTHシステムは、マンションの共用部の設備となりますので、導入には管理組合の総会で議決を得なければなりません。
手塚 施工には管理組合の修繕積立金を使うことが多いのですが、入居者の方々のなかには光なんていらない、インターネットは使わないという人もいて、必ず反対意見などが出てきます。その反対意見を説得するのが大変なわけです。
──しかし、今回は議決できたわけですね。何かいい知恵があったのですか?
石橋 まず1点目は、管理組合としての設備投資を最小限に抑える工夫をしたこと。2点目は、「スカイライトタワー」では最大1.0MbpsのHomePNAシステムを用いた弊社の従来サービスが導入されていまして、管理組合様から高速インフラへのシステム更改の要望が出ていたこと。3点目は、理事長様や管理会社様の多大なご理解とご協力をいただけたこと。この3つのポイントが管理組合の議決を得られた大きな要因だったのではないかと思っています。
手塚 今回導入した「WAKWAKピアルFTTH方式」では、ご希望の方には2心のシングルモード(SM)光ファイバを住戸まで引いたのですが、そのうち1心は、100Mbpsの高速光回線をご利用のお客様でシェアするタイプか、Bフレッツニューファミリーなどに直接接続する専用タイプの回線かを選択できるようにしています。ISPが固定されるのを嫌がられる方や、SOHO的な利用をしたいので帯域を独り占めしたいという方は専用タイプ、とにかく安い接続サービスがいいという方などはシェアードタイプと、入居者の方々の多様なニーズに応えられるようにしています。 ちなみに、今までHomePNAサービスをご利用になっていた方は、シェアードタイプを選択いただければ、当時取得したメールアドレスをそのまま利用できます。そして、残りの1心は予備心線としましたので、将来のさまざまなサービスなどへの拡張も可能です。なかにはBフレッツニューファミリーをおひとりで2本契約されて利用されている方もいらっしゃいます。
──なるほど、それでは他の壁は何でしょう?
石橋 もうひとつは、コスト的な壁です。管理組合の修繕積立金を使わせていただくわけですから、投資が大きすぎては賛成を得ることができません。
手塚 その点、最近はBフレッツの普及にともなって、SM光ファイバをはじめとした配線部材が安くなってきています。さらに弊社としては、材料費を抑えるだけでなく、他にもいろいろな点においてコスト削減できる工夫を凝らしています。
石橋 つまり、HomePNAシステムではもう通信速度が遅いという管理組合のご要望に応えつつ、さらにインフラとしての将来の拡張性を保証し、それをリーズナブルな価格でご提案できた点が管理組合で評価されたのかもしれませんね。
手塚 そして最後にもうひとつ。これが最大の難関ですが、技術的な壁があります。実は、この面で住友電工さんの貢献が大きいのです。いや、従来と比べ1/2半径で曲げられる光ファイバ「PureAccess」があったからこそ、既存マンションへの光ネットワーク導入が可能になったともいえます。
──住友電工としては、たいへん有り難いお言葉です。ぜひ、詳しくお聞かせください。
手塚 はい、マンションの光配線で最も難しいのは、幹線から分岐させてフロアを通し、各住戸でファイバを取り出す、横の渡りのルートをどう確保するかという点にあります。
石橋 同じ既存ビルの光化工事でも、オフィスビルの場合は、フロアの間取りの変更とかテナントの入れ替えに柔軟に対応できるように、配線スペースがある程度拡張性をもって造られているので、追い張りが比較的楽にできます。しかし、マンションは人が住むための建物ですので、配線の変更を想定していない。あらかじめ存在しないルートを、新たに開いていかなければならないのです。
手塚 この横の渡りでは、既存の配管を使って光ケーブルを追い張りできればいちばんいいのですが、管路が狭かったり、つぶれていたり、途中で切れていたりして通せないケースが多いのです。「スカイライトタワー」の場合も、かなりの部分、天井裏ころがし配線で対応しました。すると天井裏には梁があって、そこを越えるのに曲げがきつくなる。従来の光ファイバだと、強く曲げると減衰してしまって通信の品質が保てず、敷設できないケースがあったのです。
石橋 さらに難しいのは、住戸内でファイバを取り出すときです。躯体と壁面の隙間はとても狭いのですが、従来のファイバは直径60mm以上曲げることができず、ここで無理に曲げようとすると破断が起きたり、特性の劣化を招きます。このような悩みがあって、既存マンションの光ネットワーク導入は、なかなか事業化できなかったのですが、許容曲げ半径が15mmの「PureAccess」を使い、弊社の3年間にもおよぶ集合住宅向けの配線工事ノウハウを加えることで、さまざまな既存マンションの光化に対応できるようになりました。さらに、「PureAccess」の特性を利用して、室内に設置するアウトレットボックスを小さくするというアイデアも出てきました。
──すると、今後は既存マンションの光化事業を積極的に推進していくお考えですか。
石橋 はい。私たちは、NTTグループ全体の目標である、光を活用した社会の実現に向けて、今回の提供を皮切りに、集合住宅へのラストワンマイルソリューションという重要な役割を担って、各世帯へのFTTH化を積極的に推し進めたいと考えております。その結果として、国策であるe-Japan戦略のお手伝いができれば最高だと思っています。
 
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